落下

ミーティングが始まってすぐ

目を閉じて祈り始めました。

そのミーティングは全員にとって緊張感のあるミーティングだったかもしれません。

メンバー全員が本当に祈っていました。

ラファエルが話を始めて、私は祈りながら聞いていました。

 

でも、間も無く、聞くどころではなくなりました。

大事なミーティングであることはよくわかっていましたが

聞くどころではなかった。

なぜなら、自分が座っている椅子が

断崖絶壁のキワに背中を向けて座っていて

ほんの一瞬で背中から落下するということに直面したからです。

これは、ミーティングの内容と関係がないものでしたし

それによって、この体感が起きているのでもないことも

歴然とわかっていました。

なぜ、こんなことが始まったのかよくわからないけれども

落下することへの恐ろしさだけがその時の私のリアルでした。

ふっと場面のようなものが変わって、

床が開いて真下に落ちるという恐ろしさになることも起きて

いずれにしても、落ちることはものすごく怖くて

落ちませんように、と踏ん張っていました。

けれども、私のそんな気持ちは全く無意味で、フーッと落ち始めてしまいました。

背中から、高い場所から落ちて頭から落下していく。

あぁ、一巻の終わりだ、落ちて叩きつけられる

血の気が引くような感じになりました。

内蔵なのか、心臓なのか、きゅーっとなっていきます。

ミーティングの席で私はのけぞるような格好をしていたかもしれません。

 

落下のスピードというものに怯えていたのですが

スピードを感じていないことに、少し経って気がつきました。

 

落ちているのだけど、落ちていない。

 

落ちていないのではなく、滞空しているようでした。

 

滞空しているのは、爆裂な光源が私を包んでいるからで

とんでもない量の光の中に私は包まれていて

それによって滞空しているようでした。

とても気持ちがいい、心地が良かったけれど

ものすごく慣れない感覚。

掴むところがなく、確定もしていない。

でも、危険でもないようだ。

落ちたのだけど、掴むものが何もないのだけど

なんだかなんとかなっているみたいだ。

そう思い始めました。

 

ずーっとその状態でいました。

落下し続けているみたいでした。

どこまで落ちるのかわからないけども、そこに身を任せました。

全身がビリビリと痺れたような感覚で

それは自分の身体と認識できるサイズとは違っていて

拡張しているようでもあり

とにかくビリビリとしていて

熱くもあり

でも、いわゆる熱いとも違っていて

なんとも言えない

けれども

気持ちがいい、という方向のものでした。

言いようのない気持ちの良さ、悦というか、至福というか。

ビリビリがとにかくすごかった。

 

ミーティングは進んでいて、とてもシビアな状況で

それは耳に入っていましたが

私はこの”落下”に集中していいみたいだったので

時々、必要な時に必要なことを発言していました。

考えていなかったので、なぜ発言できたのか、よくわかりません。

(知識で、私が引き下がっていたんだね、とか言うことはできるけど

なんか、そんな域ではなかった感じです)

目を開けて発言をすると、落下とは全く別世界が目に飛び込んでくるわけで

とてもおかしな感じ、不思議な感じでした。

また目を閉じて落下を続けました。

もはや怖さはなくなっていました。

むしろ、自ら落下しに行くくらい 笑

 

随分そうしていて、落下しなくなったように感じるくらいまでいった頃

ポケットに入れていた携帯が鳴りました。(もちろんバイブです)

ミーティング中だったので放置していたのだけど

鳴り止まないので確認すると親族からでした。

そのままポケットに戻したのですがまだ止まらないので

外に出て、電話に出ました。

ミーティングに戻る時、ふっと、

チェックインの時間って大丈夫なのかな

と浮かびながらドアを開けたのだけど

そんな話は後かな、、、と座ってまた目を閉じました。

しばらく経って、予約していた宿泊先の

チェックイン時間を過ぎてしまっていたことがわかり

無断キャンセルになってしまって、深夜にホテルを探さなくてはならなくなった時

あぁ、あれはサインだったのだと

インスピレーションはもっと信頼しよう、大切にしよう、と思いました。

荘厳なものだけが聖霊からのメッセージ、ではないんです。

 

これ以降、落下、が全く自分の中で変わってしまいました。

落ちてしまえれば楽なのだろうけど、それが怖い、と

ここまでの間、何度もなんどもあったもの。

消えてしまった、とか、これで完了、ではないけども

全く何かが変わってしまったことは確かなように感じています。

 

 ミーティングは、とんでもないことになっていました。

けれども、私の内側に

大変だ、大変なことになった

とかというような感じはありませんでした。

むしろ、大丈夫、というものの方が大きかった。

思考は、大変だ、どうなってんだ、と出ていましたが。

 

この先で、このさらに奥を見ることになるのですが。

この旅は本当に深かった。。。