私は赦されていたのか。。。

私の指にもぐさのお灸をしてくれながら
妹が珍しく子供の頃の話を始めました。

 

彼女が小学校に入ったばかりくらいの頃だったか

二人で、家のそばの公園の砂場で遊んでいた時、

土の塊のようなものを私が大きな石で砕いていたら
たまたま妹がそこに手を出してしまって
大きな石を振り下ろしたところだったので

彼女の中指の真上に落ちたことがあったのです。

子供ながらに血の気が引き、大変なことをしてしまった

と思ったことを、ずっと私は心の奥に抱えたままでした。

恐ろしすぎて、病院に行ってどうだったとか、

親に何を言われたとか、一切記憶していないくらい。

文字通り、罪悪感を抱えたままでした。

 

この話を、妹といつかしよう、

謝ろう、

と思いながらなかなかする機会がなかったのだけど

たまたま、指にしてもらうお灸が痛い、と私が言ったことから

自分はとても痛みに鈍感なのだ、と妹が話し始めたサンプルの話が

この砂場事件の話でした。

 

話そうと思っていた話題ではあったのだけど

子供のころのさ、砂場でのこと、覚えてる?

と話し始めたとき

やっぱりウッと反応が出るのをみていました。

 

ところがそのあと、彼女は、自分は痛くなかったのだ、と続けたのです。

だからみんなは騒いだけど大したことじゃなかったのだ

むしろ、自分は痛みに鈍感なんだなーと気がつく機会だったのだ、

と。

泣いてしまいそうでした。

 

私は、彼女は何も言わないけれど

「あんなことをされた」

とわたしを恨みに思っていることだろう、

と心のどこかで思っていました。

奥の方にしまっていたけれど

この「やってしまった」

というものをずっとずっと抱え持っていたし

奥にしまったまま、けど抱え持ってい続けよう、という力動もあったと思う。

それを、彼女が話題に出してくれて

光を当ててくれて、

実は"何でもなかった"

だなんて。

 

彼女の中指をちゃんと見れていなかったんです。

怖かったから。

初めて見せてもらったその指は、

傷や怪我の跡形もなくて

変形していてもおかしくないくらいに

石を打ち付けてしまったと思っていたので

拍子抜けなくらい。

妹はとっくに、あの事故を、あの怪我をゆるしていたのか。。。

私は、赦されていたんだ。。。

ありがとう、ありがとう。

教えてくれてありがとう。

額が床に埋まるくらい、ありがとう、と思いました。